資格について
最後に、私の失望感を増大させた“資格”について述べたいと思います。
私は大学生の頃は文学部に在籍していたこともあって、学生時代には資格取得のための勉強をしたことがありませんでした。私が当時志望していた職種が国家資格を必要とするものではなく、どちらかというと実践が重視されるものだったので、有償無償の実践を心がけていました。しかし、結局就職に失敗してしまい、私は何も持たないままに世間に放り出されてしまいました。
様々な職種を経験するなかで、資格の取得に活路を見出そうとしたのも無理はないことだと思います。また、数年前まではいわゆる資格取得のための教材を商品とするビジネスが現在よりも盛んだったという状況もありました。現在でも同様の傾向はありますが、資格に対する幻想が不況により若干崩れつつあるように感じます。
私は公的なものを中心に様々な分野の資格を取得しました。難易度としては宅地建物取引主任者が最高レベルですので大して難しいものではありません。しかし、当時の仕事よりもステップアップしたいという思いで勉強したのですから、当然のことながら実務経験は一切ありませんでした。それは学習をする上では困難さを増大させましたが、実はそのこと、つまり実務経験の無いことがステップアップの最も大きな障害だったのです。学習は経験とは認められません。試験内容が実務に即してはいないからです。結論を言えば、無駄な努力でしかありませんでした。少なくとも転職に関してはそう断言できます。
試験に向けての学習は、私の得意なことのひとつの様です。難関資格は独学ではかないませんが、例えば宅建では全くの未習の分野でしたが働きながらの二か月程度の学習期間で合格することができました。
しかし、失業者になってみるとそうした数少ない“特技”でさえも、私の人物を否定する材料のひとつになってしまいます。すなわち、ある人には“頭でっかちの役立たず”として映り、またある人には“こつこつと努力してもこの程度の能力しかない人間”と判断される訳です。いずれも事実なのかもしれませんが、自分なりの努力の結果が却って仇となるように感じられ空しくなります。
私の再来年のお正月はどのようなものになるでしょうか。